※本記事は、JACOM(2025年9月25日掲載)
「シャインマスカットの海外ライセンス政策転換 小泉農水相・林官房長官に緊急要請 山梨県」
(https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2025/09/250929-84731.php) を参考に、GreanLoop編集部が再構成・解説したものです。
山梨県、政府に緊急要請
山梨県の長崎幸太郎知事とJA山梨中央会の小池一夫会長は、9月25日・26日の両日、小泉進次郎農林水産大臣と林芳正内閣官房長官を訪問し、シャインマスカットの海外ライセンス展開方針に強い懸念を表明しました。要請には県選出国会議員や主要産地JAの組合長も同席し、国内産地の競争環境整備を最優先とする政策への転換を求めました。
背景:国内外での競争激化
シャインマスカットは、甘み・食感・栽培のしやすさから日本を代表する果樹品種に成長し、輸出拡大は地域経済を支える柱となっています。
しかし、海外市場では既に他国産の安価なシャインマスカットが流通。国内産地は匠の技による品質の高さで差別化を図ってきましたが、輸出環境が整わない中での海外ライセンス解禁は、ブランド毀損や価格低下のリスクを伴います。
山梨県の主張
海外ライセンス展開は拙速であり、まずは国内産地が輸出に必要な環境を整備すべき。
具体的には、
新規輸出先国の拡大
輸出条件の整備
海外市場での差別化プロモーション支援
輸出対応インフラ・制度の充実
を国に強く要請しました。
長崎知事は「国内産地の輸出環境が整わないまま海外ライセンスを進めれば果樹産地の衰退につながる」と強調しました。
政府の反応
小泉農水相は「産地の理解が得られない中で海外ライセンス許諾を進めることはない」と明言。
林官房長官も「同じ競争の土俵に乗せることが大切。慎重に考えるべき」と理解を示しました。
SNSでの反響
山梨県が要請をXで発信すると、投稿は500万インプレッションを超える拡散に。
「長年の努力は国の財産」「産地を守るために重要な要請」といった声が多く寄せられ、政策課題としての注目度が一気に高まりました。
Grean Loop編集部コメント
シャインマスカットの海外ライセンス問題は、日本農業の競争力とブランド価値を守るうえで大きな岐路に立っています。産地が築き上げた品質と信頼をどう守りつつ、国際市場で持続的に勝負していくか。今回の要請は「量」ではなく「質」で世界に挑む日本果樹農業のあり方を示す一歩といえるでしょう。
出典:JACOM「シャインマスカットの海外ライセンス政策転換 小泉農水相・林官房長官に緊急要請 山梨県」(2025年9月25日)
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2025/09/250929-84731.php
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