※本記事は、マイナビ農業(2025年9月23日掲載)
「飼料と堆肥の循環で地域を強くする。フィールドマスター合同会社とは?」
(https://agri.mynavi.jp/2025_09_23_358040/)を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。
い草から稲WCSへ。地域の次の柱をつくる決断
熊本県八代市・鏡町。かつて畳の原料「い草」で知られたこの地域で、フィールドマスター合同会社は稲発酵粗飼料(稲WCS)とポテトチップス用ジャガイモの生産を軸に、農と畜産を結びつける循環型の仕組みづくりを進めています。掲げる理念は「未来に続く、地域の農業を支える!」。スマート農業と地域連携を組み合わせ、持続可能な地域農業の基盤を築いています。
創業者(現会長)は、需要が低迷するい草から国産飼料の柱となる稲WCSへ大胆に転換。100ha超の圃場を効率的に管理するため法人化を決断しました。現代表の林孝憲さんは、肥料メーカーで土壌分析などに携わった経験を持ち、第三子誕生を機に家業へ。地域農業を守る使命感と「従業員の生活を将来にわたって守る」という覚悟が事業を支えています。
稲WCSは地域農家が田植え・水管理を行い、同社が収穫することで成り立ちます。販売先である畜産農家が出す堆肥を圃場に還元し、化学肥料の使用を削減。経済の循環と栄養の循環を両立させることで、地域全体の持続可能性を高めています。
スマート農業で“見える化”を実現
圃場管理アプリで収穫の進捗をリアルタイム共有し、大規模作業の段取りを最適化
堆肥活用により化学肥料の使用を大幅削減
フレコン入り堆肥を広域流通し、必要な場所へ安定供給
地域を巻き込む“開かれた農業”
地元商工会青年部と連携し、40社が参加する子ども向けお仕事体験イベントを開催。農業や地域の多様な仕事を体感できる場を提供しています。
また、若手農家と共に(一社)FamLab8を設立し、農業体験とスポーツを掛け合わせた「アグリスポーツ」を企画。若手スタッフや女性社員も活躍し、外部評価として農林水産大臣賞を2度受賞するなど成果を上げています。
これからの挑戦。スペシャリストとしての深化
今後は以下の挑戦を進めます:
水田での青刈りトウモロコシ栽培
フレコン堆肥の広域流通強化
稲WCSとジャガイモの二本柱で収益性と作期バランスの向上
「未来に続く、地域の農業を支える!」という理念を、循環の仕組みと実践で形にする。フィールドマスター合同会社は、八代の風景に新しい農業のリズムを刻み始めています。
Grean Loop編集部コメント
フィールドマスターの事例は、「農業と畜産の資源循環」が地域をどう支えるかを示す好例です。い草から稲WCSへ、そして堆肥循環の仕組みへ。地域資源を最大限活用し、スマート農業や若手人材の育成を組み合わせる姿勢は、今後の地域農業モデルとして全国的に注目されるでしょう。
出典
マイナビ農業(2025年9月23日掲載)
「飼料と堆肥の循環で地域を強くする。フィールドマスター合同会社とは?」
(https://agri.mynavi.jp/2025_09_23_358040/)
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