農業ニュース

福島県南相馬市とWAKU、グルタチオン活用で次世代農業モデル構築へ

※本記事は、日本農業新聞(JACOM、2026年1月13日掲載)
「福島県南相馬市と『みらいにつなぐ農林水産業』に関する連携協定を締結 WAKU」
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2026/01/260113-86795.php)
を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。

先端バイオとスマート農業で挑む、気候変動時代の持続可能モデル

グルタチオンを活用したバイオスティミュラント・肥料の研究開発・販売を手がける株式会社WAKUと、福島県南相馬市は、同市の農林水産業の復興・再生および持続的な発展を目的に、「みらいにつなぐ農林水産業を目指すための連携協定」を締結した。

本協定は、福島イノベーション・コースト構想の趣旨を踏まえ、近年深刻化する猛暑や乾燥といった気候変動リスクに対応可能な次世代農業モデルを、南相馬市を実証・社会実装の拠点として構築していくものだ。

グルタチオン×ドローンで実装する「環境耐性型」次世代農業

南相馬市を含む福島県浜通り地域では、ロボットトラクターやドローンなどのスマート農業技術の導入により人手不足への対応は進みつつある。一方で、異常気象に起因する作物の生育不良や収量低下といった「環境ストレス」が新たな課題として顕在化している。

こうした課題に対し、WAKUは作物の酸化ストレスを制御する「グルタチオン」に着目。全国の生産者や研究機関と連携し、バイオスティミュラント技術を核とした実証を積み重ねてきた。

今回の連携により、南相馬市が有する広大な農地やドローンなどの先進技術基盤と、WAKUの先端バイオ技術を融合。「省力化」と「環境耐性」を両立する新たな農業生産システムの確立を目指す。

南相馬発、極限環境に挑む次世代農業モデルを全国へ

将来的には、南相馬市で確立したモデルを福島県浜通り地域全体、さらには全国へと展開。極限環境下でも成立する農業モデルとして国内外へ発信し、先端バイオ技術とスマート農業が融合する先進地域としての南相馬市のブランド確立と、持続可能な農林水産業・地域創生への貢献を狙う。

連携協定の主な内容

  • 気候変動に耐えうる持続的農業モデルの構築
     グルタチオンを活用し、猛暑・乾燥などの環境ストレスに対応可能な栽培技術を確立。

  • 「ドローン×グルタチオン」による次世代スマート農業推進
     省力化と安定生産を両立する新たな農業生産システムの研究開発・社会実装。

  • みらい農業学校を核とした人材育成
     実証圃場や先端技術を活用した実践的学びの場を提供し、地域農業人材の育成・定着を促進。

  • 園芸作物等の産地形成と産業集積
     先端バイオ技術の活用により地域農業の競争力を強化。

  • オフィス・研究拠点(LABO)の設置
     南相馬市内にWAKUの拠点を設置し、実証実験の加速や地域雇用創出を図る。

Grean Loop編集部コメント

気候変動による高温・乾燥などの環境ストレスは、今や全国の農業現場で共通課題となっています。本連携協定は、グルタチオンという先端バイオ技術と、ドローンをはじめとするスマート農業基盤を融合させ、「省力化」と「環境耐性」を同時に実装しようとする点に大きな意義があります。
南相馬市という実証拠点で確立されたモデルが、浜通り地域、さらには全国へと横展開されることで、極限環境下でも持続可能な農業の選択肢が広がることが期待されます。技術導入にとどまらず、人材育成や地域産業の集積まで視野に入れた本取り組みは、次世代農業と地域創生を両立させる先行モデルとして注目されます。

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