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ガスパル、循環型農業「アクアポニックス」事業に本格参入

※本記事は、PR TIMES(2025年12月17日掲載)
「ガスパル、循環型農業『アクアポニックス』事業参入を決定
“みんなの個性を、会社の力に”誰もがチャレンジできる企業を目指す」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001493.000035668.html)
を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。

遊休地活用×省人化農業で、都市近郊農業の新モデルを構築

大東建託グループの株式会社ガスパルは、都市部近郊の遊休地活用を目的に、水産養殖と水耕栽培を融合した循環型農業「アクアポニックス」事業への参入を決定した。2025年11月には、埼玉県さいたま市西区に敷地面積約4,600㎡の自社農場建設に着工している。

同農場では、水耕栽培エリアで葉物野菜・食用花・ハーブなどを栽培するほか、養殖エリアでチョウザメ、ホンモロコ、ティラピアといった魚種の養殖を行う計画だ。2026年4月からは、農場で生産された葉物野菜を「福菜商店」ブランドとして販売開始する予定となっている。

省人化・低参入障壁が魅力のアクアポニックスに着目

PR TIMESより引用

2009年の農地法改正以降、企業の農業参入は増加傾向にある一方で、農業従事者数は減少が続いている。農林水産省の推計によると、2023年度に116万人だった農業従事者は、2050年には29万人まで減少する見込みだ。

こうした背景の中、アクアポニックスは「省人化がしやすい」「比較的参入障壁が低い」点が評価されている。ガスパルは、LPガス・都市ガスの供給を主力とするガス小売事業者として、大東建託グループが管理する賃貸住宅を数多く抱える立場から、市街化調整区域や農業振興地域などの遊休地活用策としてアクアポニックスに着目した。

実証実験で手応え、2032年度に売上5,000万円を目標

本格参入に先立ち、ガスパルは2024年4月から2025年6月までの約1年3カ月間、神奈川県藤沢市で実証実験を実施。リーフレタスを中心とした約20種類の野菜栽培とチョウザメの育成に取り組んだ。

実証期間中には、直売所で4回、マルシェで3回の販売実証を行い、消費者から高い評価を獲得。こうした成果を踏まえ、今後は遊休地保有者と農業参入希望者のマッチング、行政手続き支援、スキル習得支援などを含む農業コンサルティング事業の立ち上げも視野に入れている。

養殖魚が本格的に販売可能となる2032年度には、年間売上5,000万円を目指す方針だ。

アクアポニックスとは

アクアポニックスは、水産養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を組み合わせた循環型農法。魚の排泄物を微生物が分解し、その栄養分を植物が吸収することで成長する。植物によって浄化された水は再び魚の水槽へ戻り、化学農薬や化学肥料を使用しない持続可能な生産システムを実現する。

Grean Loop編集部コメント

都市部近郊に点在する遊休地は、今後の日本農業における大きな可能性の一つです。ガスパルのアクアポニックス参入は、「エネルギー×農業」「不動産×農業」という異業種連携の好例であり、省人化・循環型という時代の要請にも合致しています。
単なる自社農場運営にとどまらず、将来的に農業コンサルティングまで視野に入れている点は、農業参入を検討する企業や個人にとっても参考になる動きと言えるでしょう。

出典
PR TIMES(2025年12月17日掲載)
「ガスパル、循環型農業『アクアポニックス』事業参入を決定」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001493.000035668.html

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