※本記事は、日本農業新聞(JACOM、2025年10月28日掲載)「農水省『環境負荷低減の見える化システム』JA全農の『担い手営農サポートシステム』と連携」(https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2025/10/251028-85345.php)を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。
「見える化」システムとは? 温室効果ガスの排出・吸収量を自動算定
農林水産省が推進する「環境負荷低減の見える化システム(みえるらべる)」は、農産物の生産段階における温室効果ガス(GHG)の排出量や吸収量を自動で算定し、環境負荷低減の取組を「等級ラベル」として可視化する仕組みです。
これまでにクボタの「KSAS」(7月)、ウォーターセルの「アグリノート」(9月)と連携しており、今回のJA全農の「担い手営農サポートシステム(NEサポシステム)」が3例目の連携となります。
営農管理アプリとのAPI連携で生産者の負担を軽減
「見える化システム」は、農水省が開発した「農産物の温室効果ガス簡易算定シート」を基に構築されており、営農管理アプリとAPIで連携可能です。
これにより、生産者が入力した栽培情報から自動的に排出・吸収量および削減貢献率を算定でき、従来のExcel記入やメール報告が不要に。登録番号の取得にかかる時間短縮や、手続きの簡素化が実現します。
JA全農システムに「脱炭素見える化管理機能」を追加
新たに連携を開始したNEサポシステムでは、「脱炭素見える化管理機能」が新設されました。
この機能では、米や野菜など23品目を対象に、生産履歴簿データの取得から農水省への報告までを一元管理。JAや生産者が「みえるらべる」を取得しやすい体制が整備されました。
初の事例:JA会津よつば・新鶴支部が特別栽培米で認証取得
NEサポシステムを活用した最初の導入事例として、JA会津よつば稲作部会新鶴支部の特別栽培米が「みえるらべる」を取得。
全農は今後、この機能を全国のJAに普及させ、環境配慮型農業の推進を加速させる方針です。
Grean Loop編集部コメント
農業の脱炭素化を進める上で、見える化の仕組みは重要なステップです。今回の連携により、現場の生産者やJA職員が負担なくデータを扱えるようになり、持続可能な営農管理の標準化が一層進むと考えられます。
将来的には、消費者が商品選択の際に「環境負荷の低さ」を比較できる社会インフラとしての発展にも期待が高まります。
出典:
日本農業新聞(JACOM、2025年10月28日掲載)
「農水省『環境負荷低減の見える化システム』JA全農の『担い手営農サポートシステム』と連携」
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2025/10/251028-85345.php
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