農業ニュース

フィジカルAIで“取れない”を減らす

※本記事は、PR TIMES(2026年2月3日掲載)
「AGRIST、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEでフィジカルAIにより収穫性能向上に向けた開発検証を実施
~自動収穫ロボットの“回り込み角度推定”をAPI化し、Azure Functions経由で動作連携まで確認~」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000050444.html)を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。

AGRISTの新たな一歩

AIとロボットを活用したスマート農業を展開する AGRIST株式会社 は、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBE にて、生成AIを用いた「フィジカルAI」の開発検証を実施しました。
本検証では、収穫時に起こりがちな「ヘタが隠れている」「葉や支柱などの障害物がある」といった実環境要因により、ロボットアームが適切にアプローチできない課題にフォーカス。画像(RGB/Depth)を入力に、“回り込みの推奨角度”を生成AIが算出し、APIとしてロボット動作へ連携できることを確認しています。

生成AIの判断を“動ける指示”へつなぐ設計

今回のSprint(5日間)では、AIの推論結果をそのまま終わらせず、「ロボットが実際に動ける指示(角度データ)」へ変換する点が最大のポイントでした。
Microsoft Foundry(Foundry Models)上で推論エンドポイントを構築し、MicrosoftAzure Functions を介して疎結合なAPI連携を実装。自動収穫ロボットがAPIを呼び出し、JSON形式で返却された推奨角度をそのまま動作へ反映する一連のフローを確認しています。

Sprintで行われた主な取り組み

  • 収穫失敗が起こる典型ケース(ヘタ隠れ/障害物あり)の整理

  • RGB・Depth画像の前処理と入力設計

  • 生成AIによる回り込み角度の推論

  • ロボット側で扱いやすいJSONレスポンス設計

  • Azure Functions経由でのAPI化と実機動作確認

見えてきた成果と手応え

検証の結果、生成AI → 角度データ → ロボット動作 という一連の流れを、疎結合な構成で実装・動作連携できることを確認。ノートブック検証では10〜30秒程度でレスポンスが返る感触も得られました。
特に、入力設計や前処理を工夫することで精度が大きく左右される点が明確になり、実環境データの蓄積と評価設計を進めることで、収穫成功率の底上げが期待されます。

関係者コメントに見る“現場実装”への現実感

AGRISTの清水CTOは「AIの推論を“動ける指示”として返せたことは、フィジカルAIを現場に実装するうえで大きな前進」とコメント。
また、Microsoft側エンジニアからも「LLMが環境を理解し、ロボット行動につながる具体指示を出す意義は大きい」「短期間で実装まで到達した技術力は印象的」と評価されています。

今後の展望:精度・再現性・運用性の三位一体へ

今後は、

  • Azure環境の整理(運用・権限・構成)

  • ログ/画像を中心としたデータ基盤整備

  • 収穫成果とAI精度を結びつける評価設計

  • 実データを用いた入力設計・前処理・プロンプト改善

を段階的に進め、収穫成功率向上と処理時間短縮を両立するフィジカルAIの社会実装を目指すとしています。

Grean Loop編集部コメント

今回の取り組みで注目すべきは、生成AIの“賢さ”そのものよりも、「現場で動く形に落とし込めた」点です。農業ロボットの課題は、ルール化しきれない環境変動への対応。角度というシンプルな指示単位に分解し、APIとして切り出した設計は、今後の拡張や他作物展開にも効いてきます。フィジカルAIは“研究テーマ”から“実装技術”へ移行しつつある——その転換点を示す事例と言えるでしょう。

出典
PR TIMES(2026年2月3日)
AGRIST、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEでフィジカルAIにより収穫性能向上に向けた開発検証を実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000050444.html

※本記事は公的資料や報道内容など、信頼できる情報をもとに構成されていますが、記載内容に誤りやご意見がございましたら、お手数ですが下記よりご連絡ください。
また、記事内容に関するご質問・情報提供・削除依頼なども、お問い合わせフォームにて受け付けております。
関係者様・メディア関係者の方も、お気軽にご連絡ください。
Grean Loop編集部|お問い合わせフォームはこちら

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP