※本記事は、毎日新聞（2025年12月6日掲載）
「キャッサバ栽培に挑戦した高校生 地域農業活性化への思いをつづる」
（https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%90%E6%A0%BD%E5%9F%B9%E3%81%AB%E6%8C%91%E6%88%A6%E3%81%97%E3%81%9F%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F-%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%80%9D%E3%81%84%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%A5%E3%82%8B/ar-AA1RPA1S?ocid=BingNewsSerp）を参考に、
Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。
八街から未来の農業を考える挑戦
千葉県八街市で、地域農業の活性化につなげようと“未知の作物”に挑んだ高校生がいる。
第53回毎日農業記録賞で高校生部門・入選を果たした、千葉黎明高校3年の 鎌形琉来（りく）さん（18） だ。
彼が研究テーマに選んだのは、熱帯地域で主食として食べられる多年生植物 「キャッサバ」。
タピオカの原料として知られ、バイオエタノール資源としても重要な作物だ。
“八街で育つのか”から始まった挑戦
生産ビジネス科の課題研究で、熱帯果樹を調べるうちにキャッサバと出会った鎌形さん。
「本当に育つのか」という不安を抱きつつも、仲間3人とともに学校内の畑20アールで栽培に挑んだ。
畝を作り、石を取り除き、4月に苗を植えて実験開始。
最初は生育が遅かったが、夏の猛暑で一気に成長し、茎は1mを超えるほどに。
鎌形さんは放課後も休日も畑に通い、成長を見届け続けた。
秋の寒さという“日本の壁”
しかし、秋に気温が下がると成長は鈍化。
11月に収穫できたのは、細い芋が5kgほどだった。
熱帯原産ゆえの「寒さに弱い」という弱点が露呈し、
ビニールハウスの利用や日本向けの品種改良の必要性 を痛感したという。
それでも鎌形さんは、
「日本の夏なら十分育つ。品種改良が進めば安定栽培は可能」と前向きに語る。
将来は“農業の先生”として母校へ
鎌形さんは農業系大学へ進学し、研究を継続する予定。
将来は 教員免許を取得し、母校に戻って農業を教えたい と夢を語る。
地域の農業をどう未来へつなぐか。
その問いに、高校生が“実践”で向き合った今回の挑戦は、
日本の農業が抱える気候変動や適作物の再検討にも通じる示唆を与えている。
Grean Loop編集部コメント
キャッサバは地力の乏しい土壌でも育つ強靭な作物として、世界では重要な存在です。
日本でも品種改良や施設栽培の工夫が進めば、新たな地域作物として広がる可能性があります。
若い研究者の挑戦が地域農業の未来を照らしていることを強く感じました。
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