※本記事は、日本農業新聞(JACOM、2025年11月25日掲載)
『新農業プロジェクトで秋田県にかほ市の企業誘致認定を取得 INGEN』
(https://www.jacom.or.jp/ryutsu/news/2025/11/251125-85901.php)
を参考に、Grean Loop編集部が再構成・解説したものです。
INGENが「骨太リーフマン(ソフトケール)」を軸に産地再生を加速
農業スタートアップ 株式会社INGEN(千葉県松戸市) が、秋田県にかほ市から企業誘致認定を取得した。同社は今回の認定を機に、秋田発の葉物ブランド 「骨太リーフマン(ソフトケール)」 を基盤とした産地づくりを本格加速する。
若手農家の新しい柱をつくる「骨太リーフマン」
骨太リーフマン(ソフトケール)は、ケール特有の苦味やえぐみが抑えられた“やわらかい葉物”。
カルシウム・GABAなどの栄養素を蓄積しやすい特性もあり、これまでの“青汁用ケール”とは異なる、新しいカテゴリーの葉物として注目が高まっている。
さらに、
「夏に強い葉物」ではなく「通年価値型の葉物」
として位置づけられている点が大きな特徴。市場変動や気候変動で供給が不安定になりがちな葉物カテゴリーの中で、一年を通して品質を保ちやすい点が評価されている。
収穫予測 × 収益補完作物モデルで産地再生へ
INGENは、温暖化や市場変動で採算確保が難しい産地に対し、
「収穫予測 × 収益補完作物のアップデート」
を柱とした安定的な契約出荷モデルを展開。2024年度には秋田県の実証支援事業、全農AgventureLabのアクセラレーションに採択され、にかほ市・JAしんせいと連携して栽培検証を行ってきた。
今回の企業誘致認定により、
広域流通への販路拡大、計画出荷、生産者支援体制の強化
が進み、ブランドとしての成長がさらに加速する見通しだ。
地域内での「評価市場」を整備し、産地を自立循環へ
INGENは、にかほ市のまちづくり企業ロンドと連携し、飲食店・小売店・観光事業者といった地域プレイヤーを巻き込んだ
「地域内の評価市場」 を構築。
農家が消費者から近距離でフィードバックを得られる環境をつくり、
“自立自走型の産地チーム” を育成する仕組みを進めている。
この取り組みは 「にかほ・産地リビルドプロジェクト」 として展開中で、
地域全体で稼ぐ力を育てる新しい産地モデルとして拡張が期待されている。
Grean Loop編集部コメント
秋田県南部のにかほ市はこれまでも多様な農業実証が行われてきた地域ですが、今回INGENが正式に“企業誘致認定”を受けたことで、行政・JA・スタートアップが連動した本格的な産地づくりが進みやすくなります。
特に、気候変動で夏場の葉物の品質が不安定化する中、「通年価値型」という新カテゴリーを打ち出す骨太リーフマンは、既存の産地が抱える課題を一段引き上げる“スイッチ作物”として注目されます。
若手農家にとっても、地域内の小売・飲食から評価が返ってくる“近距離市場”の整備は、技術向上と継続経営に直結する重要なポイント。産地再生の文脈で全国横展開の可能性を秘めた事例と言えるでしょう。
出典
日本農業新聞(JACOM、2025年11月25日掲載)
『新農業プロジェクトで秋田県にかほ市の企業誘致認定を取得 INGEN』
※本記事は公的資料や報道内容など、信頼できる情報をもとに構成されていますが、記載内容に誤りやご意見がございましたら、お手数ですが下記よりご連絡ください。
また、記事内容に関するご質問・情報提供・削除依頼なども、お問い合わせフォームにて受け付けております。
関係者様・メディア関係者の方も、お気軽にご連絡ください。
Grean Loop編集部|お問い合わせフォームはこちら
コメント